2023年08月02日
家づくりは延期したほうが良い?
住まいづくり
最近のニュースで金利上昇が取り上げられました。
今回は、最近話題になっている住宅ローンの固定金利の上昇について、家づくりにどのような影響があるのか、そして家づくりを延期すべきかどうかについてお話ししたいと思います。
まず、住宅ローンの固定金利とは何でしょうか。
住宅ローンは、借入期間中に支払う金利が変動する変動金利と、借入期間中に支払う金利が一定のまま変わらない固定金利の二種類があります。
変動金利は、市場の金利の動きによって上下しますが、固定金利は、借入時に決めた金利で固定されます。そのため、固定金利は将来的に金利が上昇するリスクを回避できるというメリットがあります。
しかし、固定金利にもデメリットがあります。
それは、借入時に決めた金利が高い場合、市場の金利が下落してもそれに追随できないということです。つまり、固定金利は借入時のタイミングが重要になります。借入時に金利が低ければ有利ですが、高ければ不利です。
では、最近の住宅ローンの固定金利はどうなっているのでしょうか。実は、ここ数年で住宅ローンの固定金利は上昇傾向にあります。例えば、10年間固定の住宅ローンの平均金利は、2019年1月には0.64%だったのが、2021年12月には0.88%になっています。これは約0.24ポイントの上昇です。この上昇率は小さく見えるかもしれませんが、実際には大きな影響を及ぼします。
例えば、5,000万円を35年間で返済する場合を考えてみましょう。
1固定で1%の金利で借りた場合、月々の返済額は約14万1千円です。
しかし、1.5%の金利で借りた場合、月々の返済額は約15万3千円になります。
これは約1万2千円の差です。かなり大きな差です。35年間で考えると約504万円も多く返済することになります。
家づくりにおけるオプションや設備などに充てられる大きな費用ですし、高級車1台分くらいの差に匹敵しますね。
このように、住宅ローンの固定金利が上昇すると、家づくりにおける負担が増えることが分かります。
では、この状況下で家づくりを延期すべきかどうかという問題ですが、私の意見としては、延期しないほうが良いと思います。
理由は幾つかあります。
まず住宅ローンの固定金利は今後も上昇する可能性が高いからです。
住宅ローンの固定金利は、国債の金利に影響されます。国債の金利は、国の財政状況や経済成長率などによって変動しますが、一般的にはインフレが高まると上昇します。インフレが高まるということは、物価が上昇するということです。
物価が上昇すると、お金の価値が下がります。お金の価値が下がると、お金を貸す側は利息を高く設定しなければなりません。そうしないと、お金を貸すことに対するリターンが減ってしまうからです。
現在、日本ではコロナ禍の影響で経済が停滞していますが、政府や日銀は大規模な財政出動や金融緩和を行っています。これらの政策は、経済を刺激する効果がありますが、同時にインフレを引き起こす可能性もあります。特に、コロナ禍が収束した後には、需要が急激に回復することで物価圧力が高まると予想されます。
このような状況下では、国債の金利は上昇しやすくなります。そして、それに伴って住宅ローンの固定金利も上昇しやすくなります。
つまり、今後も住宅ローンの固定金利は上昇する傾向にあると考えられます。そのため、家づくりを延期するということは、より高い金利で借りることになるということです。これは家づくりにおけるコストを増やすだけでなく、家計にも大きな負担をかけることになります。
他にも家づくりを逼迫させる要因として建築資材の高騰や人件費の高騰が考えられます。
インフレ傾向下では価格自体が下がることはないと考えましょう。つまり今よりも良い条件で購入できる可能性は低くなっていくと考えてください。
私は家づくりを延期しないほうが良いと思います。
もちろん、家づくりは一生に一度の大きな決断ですから、慎重に考える必要があります。しかし、住宅ローンの固定金利の動向を見てみると、今が家づくりのチャンスだと言えるでしょう。
最後に一つ気をつけて欲しいこと申し上げます。
倒産している建築会社が増え始めました。入居後も付き合える会社かどうかの見定めも必要になってきました。
なるべく多くの情報を入手して失敗しない家づくりをしていきましょう。
今回は、最近話題になっている住宅ローンの固定金利の上昇について、家づくりにどのような影響があるのか、そして家づくりを延期すべきかどうかについてお話ししたいと思います。
固定金利について
まず、住宅ローンの固定金利とは何でしょうか。
住宅ローンは、借入期間中に支払う金利が変動する変動金利と、借入期間中に支払う金利が一定のまま変わらない固定金利の二種類があります。
変動金利は、市場の金利の動きによって上下しますが、固定金利は、借入時に決めた金利で固定されます。そのため、固定金利は将来的に金利が上昇するリスクを回避できるというメリットがあります。
しかし、固定金利にもデメリットがあります。
それは、借入時に決めた金利が高い場合、市場の金利が下落してもそれに追随できないということです。つまり、固定金利は借入時のタイミングが重要になります。借入時に金利が低ければ有利ですが、高ければ不利です。
では、最近の住宅ローンの固定金利はどうなっているのでしょうか。実は、ここ数年で住宅ローンの固定金利は上昇傾向にあります。例えば、10年間固定の住宅ローンの平均金利は、2019年1月には0.64%だったのが、2021年12月には0.88%になっています。これは約0.24ポイントの上昇です。この上昇率は小さく見えるかもしれませんが、実際には大きな影響を及ぼします。
例えば、5,000万円を35年間で返済する場合を考えてみましょう。
1固定で1%の金利で借りた場合、月々の返済額は約14万1千円です。
しかし、1.5%の金利で借りた場合、月々の返済額は約15万3千円になります。
これは約1万2千円の差です。かなり大きな差です。35年間で考えると約504万円も多く返済することになります。
家づくりにおけるオプションや設備などに充てられる大きな費用ですし、高級車1台分くらいの差に匹敵しますね。
購入のタイミングは?
このように、住宅ローンの固定金利が上昇すると、家づくりにおける負担が増えることが分かります。
では、この状況下で家づくりを延期すべきかどうかという問題ですが、私の意見としては、延期しないほうが良いと思います。
理由は幾つかあります。
まず住宅ローンの固定金利は今後も上昇する可能性が高いからです。
住宅ローンの固定金利は、国債の金利に影響されます。国債の金利は、国の財政状況や経済成長率などによって変動しますが、一般的にはインフレが高まると上昇します。インフレが高まるということは、物価が上昇するということです。
物価が上昇すると、お金の価値が下がります。お金の価値が下がると、お金を貸す側は利息を高く設定しなければなりません。そうしないと、お金を貸すことに対するリターンが減ってしまうからです。
現在、日本ではコロナ禍の影響で経済が停滞していますが、政府や日銀は大規模な財政出動や金融緩和を行っています。これらの政策は、経済を刺激する効果がありますが、同時にインフレを引き起こす可能性もあります。特に、コロナ禍が収束した後には、需要が急激に回復することで物価圧力が高まると予想されます。
このような状況下では、国債の金利は上昇しやすくなります。そして、それに伴って住宅ローンの固定金利も上昇しやすくなります。
つまり、今後も住宅ローンの固定金利は上昇する傾向にあると考えられます。そのため、家づくりを延期するということは、より高い金利で借りることになるということです。これは家づくりにおけるコストを増やすだけでなく、家計にも大きな負担をかけることになります。
他にも家づくりを逼迫させる要因として建築資材の高騰や人件費の高騰が考えられます。
インフレ傾向下では価格自体が下がることはないと考えましょう。つまり今よりも良い条件で購入できる可能性は低くなっていくと考えてください。
まとめ
私は家づくりを延期しないほうが良いと思います。
もちろん、家づくりは一生に一度の大きな決断ですから、慎重に考える必要があります。しかし、住宅ローンの固定金利の動向を見てみると、今が家づくりのチャンスだと言えるでしょう。
最後に一つ気をつけて欲しいこと申し上げます。
倒産している建築会社が増え始めました。入居後も付き合える会社かどうかの見定めも必要になってきました。
なるべく多くの情報を入手して失敗しない家づくりをしていきましょう。
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